<語義編>Eurasiaについては、
Eurasia(ユーラシア)って?<語源編>Eurasiaをご閲読ください。
似た言葉の区別
言葉を学ぶ際に避けては通れないことの一つに、似た者同士の言葉(類義語)の使い分けがあります。
日本語ですと、たとえば、
・走る
・小走り
・駆け足
・早足
・疾走
・駆け出す
など「走る」に関連した似た意味を持つ語(類義語)があります。
日本人であればおおよそ上記の語を適切な場面で使用することができると思います。
”彼に急な連絡が入ったようで、彼は席を立ち急いで駆け出していった。”
は正しい日本語ですが、
”彼に急な連絡が入ったようで、彼は席を立ち急いで疾走していった。”
は不自然です。
”駆け出す”は、走り出す瞬間に焦点を当てた語ですが、”疾走する”は速く走る様に焦点を当てた表現ですので、走り出す瞬間を表現したい場合に”疾走する”は不適切となります。
英語の”展示する”
”展示する”を表す英単語には、
・show
・display
・exhibit
があります。
類義語
show
「取り出してみせる」という意味での「展示」です。
display
「折り畳んだものを広げる」という意味、つまり、折り畳まれた状態で商品を並べてもどういう商品なのかわかりくにいので、折り畳まれている商品を人の目を引くように広げて見せるという意味での「展示」です。
見せ方に重点を置いた表現です。
exhibit
「持ってきて見せる」という意味での「展示」です。
使い分け
show
たとえば、ポケットの中に運転免許証を入れてあるとして、警察官から運転免許証を見せなさいと言われる場合は、ボケットから運転免許証を取り出してみせるわけですから、[show]を使います。
Show me your driver’s license in your pocket.
となります。
この文脈では、見せ方や持ってきて見せることが問題となっているわけではないですから、[display]や[exhibit]は明らかにおかしいです。
display
たとえば、仕入れてきて箱に入ったままの人形があったとして、箱に入れたままだとどういった人形なのかがわからないので、その人形の特徴を購入者にわかるように並べて展示する必要があります。この場合には、[display]を用います。店主が従業員に次のように言うような場面です。
Display the dolls on the showcase.
ここでは、箱の中から人形を取り出していますから[show]でも良さそうですが、この場面では人形を取り出して店主に見せることに重点があるわけではなく、取り出した人形を購入者にわかりやすいように並べる点に重点がある(つまり、見せ方に重点がある)ので[display]が最適となります。
もっとも、店主が仕入れた人形が注文の品と合致しているかを確認するために、その箱の中に入っている人形を見せてくれと店主が従業員に言う場合には、その箱の中から人形を取り出して見せることに重点がありますから、
Show me the dolls in the container box.
となります。
exhibit
たとえば、フランス(パリ)のルーブル美術館で展示管理されている「ミロのヴィーナス」を日本で展示する場合、ルーブル美術館から「ミロのヴィーナス」を日本に持ってきて日本の美術館で見せることになります。「持ってきて見せる」ということになるので、[exhibit]が最適となります。
We are going to exhibit the Venus de Milo in our museum.
当美術館に「ミロのヴィーナス」を展示する予定だ。
となります。
取り出して見せる[show]はこの場面に合いません。
ただ、ミロのヴィーナスをどう配置した方が来館者に見やすいのかということ(つまり、見せ方)が問題となっている文脈では、[display]が最適となります。
Let’s display it so that it can be seen in 360°.
360°で見えるように展示しよう!
この文脈では、[display]が最適です。
類義語の適切な使用
類義語の使い分けをしっかりと学んでおくことが単語学習の基本になります。
なんとなく使ってもいいのはネイティブだけです。ネイティブははっきりと意識しなくてもほぼ正確に使い分けることができるからです。
私たち外国人は類義語の使い分け基準をしっかりと押さえて適切に類義語を使い分けることができるようになりたいものです。
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